症状別の急変対応について

新人看護師が急変対応を行う上では、それぞれの症状ごとにどういった対応をしていくかもきちんと予習しておくことが大切だ。

胸痛の場合、突発的かつ致死的疾患の症状のケースも多いので、的確・迅速な判断が必要となる。呼吸器系や消化器系、循環器系など随伴症状も様々なので問診で情報収集するのが重要だ。程度や持続時間、誘因など胸痛の起こり方、随伴症状や関連痛、糖尿病や高血圧、心疾患などの既往歴、その他飲酒歴や喫煙歴などもしっかり確認しよう。その際も患者さんが痛みを訴えている際は不安を緩和してあげられるよう訴えをしっかり聞いて共感してあげなければならない。呼吸器疾患の際は呼吸が楽になるよう座位にし、身体を動かすと痛みがまず場合は安静を促してあげよう。

腹痛への対応では内臓が炎症や出血を起こしていたり血流に障害が出て痛みをはじめとした症状が出ていることも多い。痛みの性質は種類が多く原因と考えられる疾患も多岐に渡るのでしっかり確認することが大切だ。問診では発症時間と考えられる誘因、部位や性質、吐き気や嘔吐の有無、便や尿の症状の他、内服薬や飲酒歴などをチェックする。視診では腹壁の膨隆の有無、腹部の拍動や腹式呼吸の有無を確認する。聴診では蠕動運動を、打診では鼓音の有無をチェックしよう。触診でブルンベルグ兆候の有無、筋性防御、圧痛が無いかも確認する。嘔吐がある場合は誤嚥に注意し、医師の指示のもと吸引なども行っていかなければならない。万が一のときに慌てないためにも、このような急変対応の基本的な流れなどは日頃から頭に入れておいたほうが良いだろう。